去年までは、少しでも風が当たると寒くて死にそうだった。
でも、今年はあたたかいかも。
服装は全く変えていない。
気温だって、例年より冷え込んでいる。
なぜだろう…。
なんでなんだろうね。
僕の右側に、柔らかい、少し小柄な温もりがいるだけで、今の僕は無敵に近い。
こんなにも愛おしくて、ふんわりとした存在を、いつまでも僕だけが感じていたい。
むしろ、もっと、ずっと、近くにいたいし、いて欲しい。
今までのつまらなかったこの道での過去は、イチョウの葉と共に落としてしまおう。
今あるものをいつまでも守っていられるように、荷物は最小限にしておこう。
………ゆっくりと11月の帰り道を来年も、その先も一緒に並んで歩んでいこう。