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夜のパーティー

満月の前の日の夜。
今夜はいつものメンバーと、いつもの公園でクリスマスパーティー。
まだ12月に入ったばっかりなのに、みんなが
「12月になったらクリスマス!」
って騒ぎ続けるから。
「結局なにかと理由をつけて馬鹿騒ぎしたいだけなんでしょ」
君は呆れたようにいう。
でも、そんな言葉とは裏腹に、騒ぐみんなをみつめる瞳は愛おしそうに細められていた。
そうして集まったのは夜の8時。
あたりはもう真っ暗。
寒いことなんかおかまいなしに食べて飲んで騒いだ。
君ははじめから輪から少し離れたところに座っていた。
僕も騒ぎ疲れたからとなりに座ってちょっと休憩。
みんなの真ん中で、季節はずれの花火がチカチカ光っている。
だれかが押し入れの奥から引っ張り出してきた夏の忘れ物。
君は静かにそれをながめている。
その横顔があんまり綺麗で僕はついみとれてしまう。
君がその視線に気がついて振り向いたから、僕はあわてて目をそらす。
君はいう。
「楽しいね。幸せだね。」
僕もいう。
「この時間が、ずっと続けばいいのにね。」
すると君はうすく、少しさみしそうに笑っていう。
「そうだね。」

明日、君はここからいなくなる。

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