ホントは昨日書き込むつもりだった、第2話”12/2” 今日書き込みます! では本編スタート~↓
トトントトン…トトントトン…と電車の音が聞こえる。
おれはその音で暗い気持ちをかき消すかのように、電車内で模試の結果を見つめていた。
「第一志望…C判定」
判定は、こないだと一切変わらない。この結果を見たとき、自分がどう思うかより、母さんが何を言うかが頭に浮かんだ。
「…ねぇ、志望校変えたら?」
怒りどころかあきれ顔の、母さんのあきれた声。
ここしばらくの母さんの口グセはこれだった。
どうしてこの学校に執着するの? もっと違うところにすれば?
自分は高校受験で失敗したから、せめて息子には成功してほしい、と思っての発言だろう。だけどおれは…
「~まもなく、冨院(ふいん)~冨院~お出口は右側です~」
電車を降り、改札を抜け、おれはそのまままっすぐに家へ帰ろうとした、が…
「おかあさん、ぼく、サンタさんのケーキがいーいー」
おれは思わず、駅前の小さなケーキ屋の前で、足を止めてしまった。理由は二つ、一つはおれの名を呼ばれたような気がしたこと、もう一つは―
(クリスマス、か)
おれは空を見上げた。そういえばあのメール―あれを見て、彼らはどう思ったのだろうか。
都合が合わなければ、行かなくていいのだけれど…おれは、行きたい。
でも親に確実に止められる。何せ会場はここからずっと遠く離れている―
(まあ、のんびり考えていけば、いいか)
そうのんきに考えて、おれは―十文字参太は帰路についた。