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Advent 12/3

12/3は約24時間前に過ぎ去ってしまいましたが… 第3話”12/3”スタート↓

「う~んどれにしよっかな~」
鏡の前で自分―イチゴは、ゆらゆらと迷ってる。
「これお気に入りだけど、今日はこの気分じゃないんだよね~」
イチゴは、自他ともに認めるおしゃれ好き、というか可愛い物好き。
自室はお気に入りの可愛い物で見事に統一されている。
「…よーし、これにしよっ!」
薄ピンク色のワンピースを着ると、イチゴは塾のカバン片手に家から駆けだしていった。
別に急いでいるわけじゃない。ただ、塾に行くときは無意識のうちに、小走りで塾へ向かっている。ここ最近、自分はせっかちになってるのかな、とイチゴは思った。
―その理由として確実なのは、自分が、受験生だから。
10月になるまで、イチゴは、自分が”受験生”であることを全く意識していなかった―親友の藍瑠が、あの言葉を言うまでは。
「あたしさ、藤河高校行きたいんだけどさ、イチゴは…どうなの?」
この時、イチゴは「あ、自分って、受験生なんだ。」と思った。
もちろん夏休み中に、あちこち高校見学に行った、だが―
(行きたい高校、決まってないんだよね~)
公立か私立かも、まだ分からない。
(普通科は普通科でも、可愛い制服の学校もいいし、私服もいいよね。あ~でも、服飾について学べるトコもいいよね~)
この通り、迷いっぱなし。てか、自分はいつも迷ってる。パパやママからも、
「いつもイチゴは迷ってるよね~」
と言われている。
(そういえば、)とイチゴは信号のところで立ち止まった。
あの場所で、集まろう。って言われてるけど、どうしよう。
無理だったらいいといわれているけれど、行きたい。
でも、パパやママがそれを許すはずがあるだろうか…?
ましてや、その場所まで移動に時間がかかる。
それに、みんなは…?
(イチゴはいつだって、)
迷ってる。信号が変わると、またイチゴは駆けだした―

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