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Advent 12/10

「あ、の~」
「?」
ノートから目を上げると、小柄な女子生徒が僕の顔を覗き込んでいた。
「これ分かんないんだけどさー…ヒマなら教えてくれる⁇」
「おい、今は暇じゃないでしょ…」とギャラリーの女子生徒たちがあきれている。
「あー…別にいいけど…」
「うわ、ありがと!」
そういうや否や、女子生徒―文野霜菜(そうな)は僕の前の席に座った。もし、前の席に人がいたら、彼女はどこに座っただろう。
「いや~郡クンに勉強教えてくれるなんて~アタシついてるな~」
そうのんきなことを文野さんは言っている。この調子だと、こっちの解説を聞かなさそう。
「とにかく本題だよ文野さん、まず…」
「あ~待って! さん付けはカタいよ。メンドいからソナでいい。おあいこでアタシ、ゆっきーて呼ぶからさ」
「正直それは嫌なんだけど…」
「嫌だった⁉ じゃー雪夜くんにする」
「じゃあゆっきーでいい」
「OK、じゃ解説続けて」
正直この人はめんどくさい。クラスの人気者だけど、マトモに付き合える人間は限られる。僕はマトモに付き合えない、っていうか付き合うことはないと思ってたんだけど。
解説を続けるうちに、ギャラリーの数は減っていった。多分飽きたとか…そんな感じだろう。
「お~、やっぱ学年トップはすごいな~ ありがとうゆっきー」
「どうも」
「そういやさー」
思わず「?」と聞き返した。
「クリスマスは、何するタイプ?」
「え」
「あーアタシは、みんなで受験勉強かな。六華(りっか)とか、サクラコとかと。ゆっきーは?」
「…行きたいライブあるけどな~…」
「えマジ⁉ ライブとか行くんだ~ いがーい」
だけど…と言ったけど、全く聞いてない。
「じゃー今度教えて! 約束だよっ!」
「…」
もはや僕は何も言えない…

今回ちょっと長くなりすぎた。まぁ、このお話、最初の方会話少なめだったからな~

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