「あ、の~」
「?」
ノートから目を上げると、小柄な女子生徒が僕の顔を覗き込んでいた。
「これ分かんないんだけどさー…ヒマなら教えてくれる⁇」
「おい、今は暇じゃないでしょ…」とギャラリーの女子生徒たちがあきれている。
「あー…別にいいけど…」
「うわ、ありがと!」
そういうや否や、女子生徒―文野霜菜(そうな)は僕の前の席に座った。もし、前の席に人がいたら、彼女はどこに座っただろう。
「いや~郡クンに勉強教えてくれるなんて~アタシついてるな~」
そうのんきなことを文野さんは言っている。この調子だと、こっちの解説を聞かなさそう。
「とにかく本題だよ文野さん、まず…」
「あ~待って! さん付けはカタいよ。メンドいからソナでいい。おあいこでアタシ、ゆっきーて呼ぶからさ」
「正直それは嫌なんだけど…」
「嫌だった⁉ じゃー雪夜くんにする」
「じゃあゆっきーでいい」
「OK、じゃ解説続けて」
正直この人はめんどくさい。クラスの人気者だけど、マトモに付き合える人間は限られる。僕はマトモに付き合えない、っていうか付き合うことはないと思ってたんだけど。
解説を続けるうちに、ギャラリーの数は減っていった。多分飽きたとか…そんな感じだろう。
「お~、やっぱ学年トップはすごいな~ ありがとうゆっきー」
「どうも」
「そういやさー」
思わず「?」と聞き返した。
「クリスマスは、何するタイプ?」
「え」
「あーアタシは、みんなで受験勉強かな。六華(りっか)とか、サクラコとかと。ゆっきーは?」
「…行きたいライブあるけどな~…」
「えマジ⁉ ライブとか行くんだ~ いがーい」
だけど…と言ったけど、全く聞いてない。
「じゃー今度教えて! 約束だよっ!」
「…」
もはや僕は何も言えない…
今回ちょっと長くなりすぎた。まぁ、このお話、最初の方会話少なめだったからな~
頑張ってるね(←誰)毎回一話完結みたいなのに繋がりがあるようでない不連続的な連載に今までにないわくわくがある(凄まじくハードル上げ)
今日も待ってる
レスありがとうございます! 一応それぞれのエピソードにつながりはあります! まぁまだうっすらとした形なのですが… 今日も書き込みますよぉ~っ!