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境目はどこに

誰かの中で完結した物語を掻き回すような背徳感で目が覚めた。夢だったのか、もう思い出せない。
12月の朝は、やたらと寒くて二度寝をしようと布団を顔まで引き上げた。
お腹が空いてもご飯は勝手に出てこないし、出掛けようよと布団の上から僕を揺する人もいない。「間違っていたのかも」そう震え声で言ったきり、その人は見えなくなってしまったんだ。ごめんとか一度だって言ったことはなかったのに、「明日になれば」なんてそんな期待が頭から離れない。
「なんで」って泣きじゃくる声が聞こえる。それは夢だったのか、もう思い出せない。
嘘ばかりついていたような気がしていた。それなのに、あの朝のコーヒーの匂いと窓から差し込む陽の光だけが僕の頭を支配して、今日が何曜日かもあれからどのくらい経ったのかもちっともわからない。

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