「うおーい、おーい、」
べしべし、とワークでたたいても起きそうにない。まぁ、いっか。
あたしはまたテスト勉強に戻った。そうそう、なぜわたしは同じ部活の仲間―雨宮日苗(ひなえ)と一緒に勉強しているのか? その理由は―
「うわ、マジかったるいぃぃぃ…」
「夜更かししてんの?」
「そうだよ」
「え…えっら!」
「いや鈴もめちゃ頑張ってるじゃん」
「日苗も負けてないよ?」
「あそー」
今日はテスト2日目。実施教科は国語と理科と音楽。テストが終わるんたんびに、「あ~死んだぁぁ」
「マジ終わった」
「それなーー!」
こんな調子。あたしはうまくいったと思ってはいるんだけど…
「ねぇ鈴、今日も鈴ん家行ってもいい?」
「全然OK 」
「ココナとか、雪希音(ゆきね)とかは無理らしいけど」
「冷ちゃんも無理らしいね。やっぱあの子は、1人で勉強したほうが気が楽みたい」
「まぁ、そういう子だもん。鈴が勝手に巻き込んでるだけ」
「おい! それはひどすぎるぞぉ~」
「あははははは! じゃ、放課後また会おう! あばよ!」
「日苗…」
こんな会話を、朝教室で繰り広げていたのだ。
で、テスト終了後、こうして家で勉強中…なのだけど。
「今日は寝ないといったのにねぇ」
日苗はばっちり寝ている。昨日もそうだったんだけど。まぁ疲れてるだろうから、放置!
あたしは何気なく、スマホの電源を入れた。メッセージアプリを開いて、ちょっとメッセージを打ち込もうとした、が
「鈴ちゃーん! またねぇーっ!」
別れ際に全身で手を振った、”あの子”。あの時、絶対に来年も―と心に決めた自分。
なんだかあの子―だけでなく、ほかのみんなのことを考えると、今、自分が決断するのは早すぎるような気がした。
(今はまだ―)
「…鈴?」
「あ、起きた。」
「ウチは、今年クリスマスがなさそう。」
「それでも12月25日は来るよ? 受験生でも、崖っぷちでも。」
「さすがは鈴だね―」
日苗はそう言って起き上がった。
昨日のより、長そう(笑) ウチも受験勉強頑張らなきゃ…