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シリウス

冷たい空が帳を下ろす

新月の闇

いつもより明滅の少ない

十二月の夜

見慣れた空は違って見えた

なぜだか手のひらが熱かった

寂しいとは思わなかった

ずっと僕は一人だったから

さっきまでが特別だっただけなんだ

もと塵の僕らが

塵に帰ることを

それほどに恐れるのも

滑稽なのかもしれない

胸を焼き焦がしたあの星は

まだ青白く輝いている

誰より近い場所で





シリウス『焼き焦がす者』

  • ホシノウタ
  • アルタイルは「飛翔する鷲」の意
  • ベガは「落ちる鷲」の意
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