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夏の日

ある晴れた冬の日。
学校に向かう道の途中で、
凍結した路面で滑って
後頭部を強打した。
一瞬ぼんやりとした意識の後、
不意にこんなことを思いめぐらす。

嗚呼、夏が恋しい。
太陽の光輝いて
青と緑に溢れる夏が。
それに比べ冬はどうだ。
すべてが灰色の世界、
白々しいイルミネーションだけが
虚栄を張って、
夜空の星と競って瞬く。
コートは重くのしかかる。
毛糸のマフラーは鼻を突く。
かくも駅前を敷き詰める
マスクの人々にくしゃみを一つ。
あわれリゲルは燃え尽きた。
シリウスとうに砕け散った。
一人残された子犬は、
空き箱の中濡れそぼる。

収拾がつかないので立ち上がった。
見ればあの日のフルーツジュース。
そこで漸く悟るのだ、

僕の夏は糸冬わったのだと。

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