寒い冬の朝
小さな針に刺されるような
凍てつく寒さに目を開く
知らない間に冬になった街
ひとり置いていかれた僕
凍結した路上
鼻の奥を刺す冷気
それらすべてを知らなくて
ふっと無邪気に息を吹いた
白い煙のように
溶けて消えた
可笑しいくらいに眩しい朝陽見上げて
ころん
目が落ちた
眼球が
ひとつ淋しく転がった
僕の残った目
落ちた目
絡み合う視線
まるで物を隠すように拾う
指先に刹那触れたアスファルト
冷たさが指先にこびりついた
ぎゅっと眼球をもとにもどして
さあまた街に出掛けよう