窓の結露をひとりなぞった
指先に伝った一筋の雫
ぽたりと落ちた
冬の朝はこんなに眩しくて
ふっとあなたの温もりが
恋しくなる季節
あなたとわたし
ひとつのマフラーで繋いだ
真っ赤なマフラーに染み付いた
あなたの香りがこんなにも
懐かしくなるだなんてね
小指絡めたあの日
あなたは覚えていますか?
不意に昇華して消えた
一瞬の余韻に止まった街は
なにも無かったかのようにまた忙しなく
動き始めるのね
濡れた指先朝陽に翳して
きらきら光った雫
ぽたりと落ちた