壊れてしまいそうな冬の朝を握りしめ ふたりの間ほんの少し遮った 淡い白色の湯気を吸う ずっと口に残った恋の味 静寂に響く豆を挽く音も 湯を注ぐその音も ふたつのマグカップの色も 全部忘れたくないの 色褪せないうちに閉じ込めてしまいたい 透き通った黄金の琥珀のなかに さあとびきりの苦い珈琲を淹れましょう 想い出を無造作に掴んで なにもかも入れてしまいましょう 苦く痺れた最後の恋