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なぞなぞリスペクト

刑事の観音寺隼人は、ある日の午後、一人の大富豪の邸宅を訪れていた。何でも、昨日の夜怪しげな脅迫状が届いたらしい。
「それで、これがその問題の脅迫状ですか」
「ええ。もう私には一体どうしたらいいのかわからんのです」
原垣内康(はらがいと やすし)は、資産総額500億の、日本でも屈指の投資家だ。それゆえに命を狙われることもそう無い話でもなかったのだが、
「なになに、『お命頂きたく候』...これだけですか?」
「ええ」
「なかなかストレートですね」
「ド直球でございやしょう」
原垣内氏の話によれば、朝起きると寝室の窓にこれが挟まっていたらしい。
「窓にはしっかりと鍵をかけていましたから、これは中から入れられたものだと思いました」
「ごもっともですね」
「そしてそれが出来るのは、この家の使用人か私の三人の息子です。私はこの息子たちが疑わしく思えて仕方ないのですよ、刑事さん。悲しいほどに」
「そうですか。ではご依頼通り、息子さん三人の調査をさせていただくことになると思います」
「よろしくお願いいたします」

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