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LOST MEMORIES ⅢCⅥⅩⅧ

「困ったことに一切おぼえてないんです。」
「じゃあ、実際に過去にあった出来事だという根拠は?」
続きは大体予想できていそうなふたりだが、あえて望は質問をなげかけたのだとわかる。確認を得るために。
だから、瑛瑠も誠意をもって答えなければならない。
「夢の中に出てきたエルーナというヴァンパイアが英人さんで、それを記憶していたんです。ですから、根拠は英人さんです。」
「だから、まずは英人くんに確かめておきたかったんだね。」
そう言う歌名は、瑛瑠と英人が前もって話を擦り合わせていたことに、多少なりとも疑問があったのかもしれないと、瑛瑠はその時には気付いた。望も例外ではなかったようで、納得したようにうなずいてくれる。ただ、そんなそぶりを今まで見せなかった彼らに、ありがたく思うべきなのか、言葉をぶつけてほしかったと思うべきなのかは、今の瑛瑠にはわからなかった。
「それって10年前の出来事だよね?」
不意に歌名が声色を変えて尋ねる。
「私、覚えてるかもしれない。」

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  • お久しぶりです??
    さっき、夢の部分をまとめで読ませていただきました!!

    終わらせ方が…もう罪!!
    情景描写がやっぱプロっす。
    私が書くと、会話が多くなってしまうので。

  • りんちゃん》
    お久しぶりかな?笑
    そうだよねえ…私もノートにかいた夢シーンを何回も読み返しながらかいています(笑)

    嬉しいーっ!
    会話ね、意識して多くならないように気を付けてるの笑 ただ、情景によって台詞多くして緊迫感出すこともできるから、色々試してみるといいかもね。