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Advent 12/25 side I

混み合うクリスマスフェスの会場は、広い公園の一角だ。
イチゴは、たたたっと会場内を小走りで行く。
別に急いでいるわけじゃない。待ち合わせ時間もアバウト。
集合場所は、会場入り口のクリスマスツリーの下。
イチゴたちが、去年写真を撮った場所。彼が―参太が、集まろうって言った場所。
そこへ向かってるんだけど、
「ここどこ…?」
どうやら入る入口を間違えたみたいだった。クリスマスツリーがある入口じゃないほうから入ったよう。
「これじゃあ、間に合わないかもじゃん…」
思わずネガティブ発言。ダメダメイチゴ! まだ大丈夫!
そう自分を奮い立たせたとき、視界の端に知っている人物がうつり込んだような気がした。
「あ! 待って!」
イチゴはそう叫んでかけだした。でもほんの数秒後、後ろから呼び留められた。
「…あの!」
「?…!」
どうやら帽子を落としたのを、拾ってくれたらしい。でも驚くべきは、それを拾ったのは―
「あ、あの時の!」
思わずイチゴは叫んだ。

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