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LOST MEMORIES ⅢCⅦⅩⅠ

「そうなるだろうな。
歌名が結構な案件をあげたから、こちらの話に戻ってもいいか?」
軽く同意した英人は起動を戻す。
そして、望の頷きを得たあと瑛瑠を見るので、瑛瑠はゆるく首を振った。英人がこちらを見たのには、促す意をもっていたから。
「やはり、考察は英人さんにお願いしたいです。」
文献を漁って、最後の考えに至ったのは英人だから。そちらの方が筋が通っているというものである。
少し目を瞬かせ、英人はわかったと頷く。
「何らかのプロジェクトだと仮説立てた理由だが、それは僕が漁った文献による。内容は、歌名の話した人間界への派遣プロジェクト。資料と当時の記憶が一致しているから、たぶん同じものと捉えていいだろう。」
そのあとは、瑛瑠にした説明をふたりにも繰り返す。毎年派遣されていたことや、歌名のいうように、10年前に終止符を打たれたこと。そして、なぜ今さら遣わされたのかということ。
「そもそも、何のための派遣だったのかははっきりしていない?」
しばらく黙って聞いていた望に問われると、英人は苦虫を噛み潰したような顔で
「何かの監視ってことしか。」
と答える。
お互いに、狐が大いに関わっていると思いつつ、繋がりが見えないため口に出せない。
重い空気が下りたとき、望が口を開いた。
「気になる点がひとつある。そこから、たぶん導ける。」

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