日は傾いて見る間に輪郭を溶かす
慌ててなにもかも袖の中隠そうとしても
薄暗さは動きを奪いとり
そっくりまるごと止めてゆきました
なにも目には映らなくて
瞼を閉じても開けても暗闇ばかり
きっと私が涙を流していても
自分ですら気付くことはないでしょう
なにも見る必要なんてない
暗闇と錯覚に蝕まれるのをひしひしと感じながら
手探りで空気をかき回す
なにもかも無意味な空間を
限りなく夜に流れた夕暮れに
車のヘッドライトが雨に反射して
止めどなく落ちる雨粒を見るのが好きだと
いつかあなたは言った
なにも考えなくて済むのだと
アスファルトに刹那触れて
ゆっくりゆっくり飛び散った破片
反射する光もないままに
忘れたようについてきた音を嗤う
なにをしていても離れないのです
このまま人間として生きていけなくなるのではないかと思うほどに
脳裏に焦げ付いて離れないのはあなた
写真に映ったあなたはきっと虚像
この手に感じた感触さえ信じられないのです
rainyday
ヘッドライト照らされた雨粒
どんなに目で追っても終わらない
それでもとめどなく溢れてくるのはあなたの影
rainyday
あなたがいなければなにも成り立たない
こんなときに気づいても
もう少しだけ
もう少しだけ早く教えてくれれば良かったのに
神様
すっかり暗闇に包まれてしまった
今も雨は降っているのでしょうか