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LOST MEMORIES ⅢCⅦⅩⅦ

英人は少し目を見開く。
「僕に?」
頷く歌名に、瑛瑠も同調する。要は、ヴァンパイアのアンテナが欲しいということなのだろう。
その意図を察し、質問を重ねる英人。
「場所は?」
歌名は顎に手を当て少し考えるけれど、出した答えはまたあとでにしようというもの。
「遠くないよ。でも、とりあえずそっちに話が移っちゃうと、ね。」
そう小さく笑うので、瑛瑠が受け継ぐ。
「では、来週にしましょう。」
次の日も休日なのだが、学生は忙しい。時間はまだある。
望が咳払いをした。
「ぼくたちがここに来た理由、それに関係しているであろうことについてだいたい予想をつけて、さらにその大本だろう狐について言及してきたけれど、この続きは来週に持ち越すってことでいいかな。」
そのまとめに3人が頷くことで、ひとまずピリオドが打たれた第1回会議(仮)。
深いため息を吐いて腕を伸ばし、疲れたー!と叫ぶ歌名を瑛瑠がたしなめた。
しかし瑛瑠だって解放感に駆られたから。
「さあみなさん、甘いものでも頼みましょう。」
待っていましたとばかりに、みんなの顔に花が咲いた。

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