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鬼ノ業1話限りの復活

母が子に、あるお話を聞かせてあげていた。人間と鬼がまだ共存していたときのお話を。
その話を遮ったのは子。
「お母さん、今も鬼は居るの?」
我が子の問いに、母はその顔を優しく、愛しさに満ちた目で微笑みながら、
「今も居るわよ。」
とそう言う。
「鬼も人間も、何も変わらないのよ。それぞれの持つ能力が少し違うだけ。……それを、受け入れられなかったのは人間。人間は、弱いの。」
彼女の顔に陰が落ちた。
よくわかんない。まるでそう言うように、子は母を見つめる。
「でも、朔も蒼もかっこよくて、藤姐が美人さんだってことは、よくわかったよ。みんな強くて、……薊も、みんなも、辛いってことはよくわかった。」
母は子に尋ねる。
「鬼、恐いかしら。」
子は、その声の震えに気付いていた。首を横に降ったのは本心。
「会ってみたいな。今もまだ居るのなら、会ってみたい。」
辛そうに苦しそうに、そのくせ嬉しそうな、感情がない混ぜになった表情の母は、人間と鬼が共存していたときのお話,朔が薊を救うまでの物語を紡ぎ出すべく、再び口を開いた。

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