母が子に、あるお話を聞かせてあげていた。人間と鬼がまだ共存していたときのお話を。
その話を遮ったのは子。
「お母さん、今も鬼は居るの?」
我が子の問いに、母はその顔を優しく、愛しさに満ちた目で微笑みながら、
「今も居るわよ。」
とそう言う。
「鬼も人間も、何も変わらないのよ。それぞれの持つ能力が少し違うだけ。……それを、受け入れられなかったのは人間。人間は、弱いの。」
彼女の顔に陰が落ちた。
よくわかんない。まるでそう言うように、子は母を見つめる。
「でも、朔も蒼もかっこよくて、藤姐が美人さんだってことは、よくわかったよ。みんな強くて、……薊も、みんなも、辛いってことはよくわかった。」
母は子に尋ねる。
「鬼、恐いかしら。」
子は、その声の震えに気付いていた。首を横に降ったのは本心。
「会ってみたいな。今もまだ居るのなら、会ってみたい。」
辛そうに苦しそうに、そのくせ嬉しそうな、感情がない混ぜになった表情の母は、人間と鬼が共存していたときのお話,朔が薊を救うまでの物語を紡ぎ出すべく、再び口を開いた。
PS》
以前書いていた鬼ノ業というお話に関連したもののため、読んでいた方がより楽しめるというつくりになっております。もちろん、読んでいなくても、私のもののけに対する考えた方が伝わるように書くよう努めました。
そもそも私のかくものは、ロスメモをはじめ鬼ノ業、UFOの落ちた夏、どれもスピリチュアルなものがテーマとなっていて、それらは人間が気付かないだけで共存しているものであると示しています。そういった考えを改めて示してみたのが、今回のお話でした。
すごい続きが気になりますね……!
でも1話で終わりって言ったの私なんでしょうがないです笑
鷹尾ちゃん》
どうもありがとう。
ロスメモ終わり次第、また鬼ノ業書こうかななんて。
続きが気になるなんて、嬉しい褒め言葉をありがとう(*^^*)
鷹尾≫「16歳のピーターパン」でまとめを探すんだ...!
鬼の業については俺もまた読みたい。まとめになりきってないとこもあるからなあ
めめんとさん》
まとめになりきってないとこがあることを知ってるだなんて(笑)
あれ載っけてたの3年くらい前よ笑
和の世界観大好きなので、ロスメモが終わり次第、ね。笑 洋からの一気な転換だあ…。
めめんとさん》
まとめになりきってないとこまで知ってくれていてありがとう(笑)
鬼ノ業はちゃんと終わらせてあげたのをみんなに報告したいので、ロスメモ終わり次第、ですね。笑