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LOST MEMORIES ⅢCⅧⅩⅠ

すっかり日が落ちてしまって。
とりあえず狐について次回話し合うということ。なんとなく気になるので、この喫茶店や鏑木先生についても網を張っておこうという結論に達する。
そして結局、花の旦那さんには会えず、瑛瑠は少し肩を落としていた。
「今はまだ会えないって。」
そう花にウインクであしらわれてしまった。
「まだって引っ掛かるよね。」
歌名とふたりで話しているところへ、送ってくと声をかけられる。
きっと断っても無駄だと思い、瑛瑠は黙って好意に甘えようとありがとうを言いかけたのだが、それは歌名によって遮られた。
「もう遅いから、ふたつに分けて送ってくって言うんでしょ!」
「ああ。」
「そんなのずるい!」
また何か言い出したぞと瑛瑠は苦笑する。もちろん、瑛瑠だけではない。
「私だって瑛瑠と帰りたいのに、英人くんと望ばっかり送ってって!」
「ふたりそれぞれ送るには距離が開きすぎている。」
「ふたりだけで帰らせるわけにもいかないしね。」
さて、瑛瑠は無言を決め込んだ。

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