青年「…………」
霊能者「やっぱりまた来ましたね」
青年「………おう……」
霊能者「私の勘はよく当たるのですよ。で、何の用です?」
青年「見りゃ分かんだろ…」
霊能者「また憑かれたんですか。そういうの引きつけやすい体質なんですかねえ?」
青年「どうでも良いから今度こそちゃんと祓ってくれよ」
霊能者「えーっと、今回の霊は…ご老人ですか。病死でもしたんですかね?これで老若男女フルコンプですね。幽霊家族でも作るつもりですか?」
青年「冗談は止めてくれよ。もう精神が参った。これは十分実害だろ」
霊能者「我慢してあげなさいって。霊の方にだって事情くらいあるんでしょうし」
青年「ふざけてんだろテメー。こうなったらもう訴訟も辞さないぞ」
霊能者「誰も真面目に考えてくれませんよ」
青年「は!まさか、お前が俺を呪い殺そうとしてこんなことを⁉」
霊能者「そんな訳無いでしょう。本当に危ないのが憑いたらそのときは祓ってあげますから、ちょっとくらい我慢しましょう、ね?」
青年「おいおい、そりゃー無いぜ…」
青年「……ちょっと良いか…?」
霊能者「あ、青年さん。お久し振りで…て、何ですかその見るからにやばそうな黒いもやもやした人型っぽい何かは!?」
青年「やっぱりお前にも見えたか…。これに憑かれてから身体中が痛いし重いし、事故には遭いかけるし、寝不足だし、ソシャゲのガチャでは雑魚しか出ないし、これまでとは比にならない程やばい奴な気がするんだよ…。流石にこれは祓ってくれるよな…?」
霊能者「後半は関係ない気がしますが、ええ、流石の私でもこれは見逃せませんね。分かりました、今回は祓いましょう」
青年「おお、本当か!ありがとう!あれ、そういえば霊能者って、どうやって除霊してるんだ?よく考えてみると、お前の除霊見たこと無いや」
霊能者「まあ見ててくださいな」