特殊、とは。
もちろん、瑛瑠の目に浮かぶ質問の色を汲み取り、チャールズは口を開く。
「出会いや接点はもちろん、彼女自身の性格や生まれが、ですね。」
続けて問おうとするも、チャールズに阻まれる。
「私が彼女についてお話しできるのはここまでです。
気になるのなら、本人に直接聞いてくださいね。」
にっこりと微笑まれ、これ以上の追及は無意味だと悟る。
席を立ったチャールズはの向かう先はキッチン。
そういえば、夜ご飯はまだである。プッタネスカはチャールズの叱責の間に消化された模様。
たしかに、花個人についてチャールズが語るのはおかしなことだ。そう理解し、瑛瑠も立ち上がる。
「チャールズ、私手伝うよ。今日の夜ご飯は何?」
「ボロネーゼですよ。」
エプロンを手に取り思わず苦笑い。
「ボロネーゼ……?」
何の嫌がらせだろう。まだ叱責の途中だろうかと錯覚してしまう。
「それともミートソースが良いですか?」
さすがにこちらの提案には、勢いよく首を横に振るのだった。