霊能者「やあやあ我こそは、世に名高いうんたらかんたらの霊能者である!中略そこの悪霊、退治してやるから覚悟なさい!」
男の霊「俺ェ?」
霊能者「あ、いや、そっちじゃなくて。貴方は何もしてないでしょう?」
女の霊「ジャア私カイ?」
霊能者「いえ、貴女でもなくてですね、ほら、あなた方の中で一番の新参さんの、そう、貴方!」
黒い霊「ア?俺ガ何シタッテイウンダ?」
霊能者「いやー、貴方がその人に取り憑いていると、その人に実害があるんですよねー。というわけで、離れてくれません?」
黒い霊「エ、嫌ダヨ。折角取リ憑イタノニサ。例エバ、オ前ハ身銭切ッテ買ッタ菓子ヲ口ツケズニゴミ箱ニ捨テラレルカ?」
霊能者「『身銭切る』なんて久し振りに聞きましたが、とにかく、貴方に居なくなってもらわないと困るんですよ。嫌だとは思いますが、そこを何とか!」
黒い霊「エー、俺ニ良イコト無イジャン」
青年「いやいやいやおいおいおいなあなあなあちょっと待てお前ら」
霊能者「何です、青年さん?今良いところなんですが?」
青年「除霊ってそんな感じなの⁉そんな緩〜くお願いする感じで良いんですか⁉」
霊能者「私はこの方法であまり失敗したことがありません!」
青年「ちょっとあるんじゃねえか」
霊能者「除霊して欲しいんでしょう?その話は後にしましょう」
青年「お、おう」
霊能者「すいません悪霊さん。さっきの続きですけど、どうしても駄目ですかね?」
黒い霊「オイオイ、俺ハ『悪霊』ナンテ名前ジャナイゼ?」
霊能者「ほう、それではどのようなお名前で?」
黒い霊「ジェームズトデモ呼ンデクレ」
霊能者「ジェームズさんですか」
黒い霊「バカ、タダノジョークダヨ。本気ニシテンジャアナイゼ」
霊能者「でも面倒なんで、ジェームズさん、て呼びますね」
黒い霊「オイ!フザケンナヨ!」
青年「あ、お前もそう思う?普通ふざけてるって思うよな!」
黒い霊「オォ、オ前話ガ分カルジャネーカ」
霊能者「はいはいそこ、意気投合しなーい。除霊して欲しいんでしょ?」
青年「ああ、そうだった」
霊能者「ところでジェームズさん、もしも別の身体があったら、その人から出て行ってくれます?それなら心当たりがあるんですが」