かじかむ手で硬貨をつまみ出し 120円の温かさを買った 120円の温かさは しばし手を温めたが 口をつける頃には 10円の温かさしか残っていなかった ずっと100円の温かさの 君が恋しい
百円の温かさで手を繫ぎ 百円の温かさで口をつける 百円では買えないが 百円の幸せがそこにはあり 手放してしまえば 百円以上の温かさが奪われる