さよならで始まる物語はいつも鋭くて、凍えそうなやさしさ。水たまりのなかのぼくがゆらゆら笑う、わらう。
わらって、消えた?
夢の最果てで太陽を待ってたんだ、星のともしびは瞬間の5億倍、夜空を泳ぐさかなは目を瞑ったからぶつかって、墜落する。とめどなく、とめるまもなく。何処にいたって呼吸ができる。心臓の在処もわからないのに、惰性と愚痴とほどほどの努力できょうも自転周期は保たれる。
湯船の底で目を覚ました怪物。きみの名前を一緒に探すんだ。ぼくらはきっと手をつなげるし、たぶん傷つけあうこともできる。