4

LOST MEMORIES ⅢCⅧⅩⅨ

部屋が白桃煎茶の良い香りに包まれる。
すぅっといっぱいに吸い込み、思わず笑みがこぼれた。
「良い香り。」
「でしょう?」
チャールズの淹れ方はいちいち上品だから、瑛瑠は好きだ。
「今日は楽しかったですか?」
穏やかに問われ、瑛瑠は苦笑いをこぼす。
「楽しかったけれど、終始真面目で隙がなくて、神経を張り詰めていた方が強かったかな。
一気に脱力して、結構食べてしまった。」
「あぁ……ちょっと前にパスタを食べたはずなのに、夕食のパスタも完食しましたもんね。」
「い、言い方……。」
そんな食いしん坊みたいな言い方をしなくてもと思う。というか、やっぱりパスタを食べたの知っているし……。
せめてもの抵抗に、チャールズをじとっと睨み付けた。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。