君を夕陽から攫って
窮屈な夜闇に隠して
額が触れ合う距離で
呼吸の一つひとつを
私の耳に直接届けて
ただ私はそれだけで
君に感じる一文字を
閑寂に確かめられる
私は君の朝を奪って
左薬指に大切に嵌め
君には私の永い夜を
その胸に埋め込もう
濡れた瞳から一滴を
君の戸惑の瞳に直接
愛おしげに差すから
そのまま目を閉じて
言葉では伝わらない
私から溢れた想いを
双つの瞳で味わって
狂おしく嗤っている
感情に隠れた成分を
君が暴き出してくれ
最後に悟った表情で
頭を撫でてくれれば
それで報われるから。