僕の詩は世に放たれて
何にも掠らず
そこいらに転がって
誰も気に留めず
目もくれてやらない
独りよがりの言葉など
誰が求めたでしょうか
誰が欲しがったでしょうか
こんなにも思いは溢れるのに
こんなにも言葉は消えていく
こんなにも明日が欲しいのに
こんなにも昨日がしがみつく
今、
ふと立ち止まる
帰り道だと思っていたのは
よく見ればラブホテルへの曲がり角だった
悪魔でさえ首を吊った
ここ大阪の北端で
名も知れぬ歌うたいだけが
空しくその穴を埋めようとしていた
僕の詩は踏みつけられて
なんにも芽吹かず
そこいらのカラスがついばみ
誰も気に留めず
言葉は有限の連なり
言葉は神聖な文句
言葉は巨大な志
言葉は
言葉は
消えていく