カーテンを開くと、一気に朝日が部屋に流れ出した。
窓からはまだ、ひんやりとした冷気が伝わってくる。
結局あのまま寝てしまった瑛瑠は、一度うんと背伸びをして、今日の予定は何かとめぐらせる。
すると、良いタイミングで扉をノックする音が聞こえてきた。
「お嬢さま、おはようございます。
今日の予定ですが、私と一緒に出掛けませんか?」
扉越しに聞こえた声。一時停止。
瑛瑠は驚いた。チャールズからの初めてのお出掛けのお誘いである。そして、断る理由はない。
「い、行きます!
ちょっと待って、急いで支度をするから!」
ただ、あまりに急なのと、あまりに驚いてしまったので、慌てる瑛瑠。
その様子に、扉の向こうでは笑った気配がする。
「まずは朝食にしましょう。急がなくてもいいですよ。」