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No music No life #6 フィクサー

結月視点


涼香からの手紙には、こう書かれていた。
『御影結月様 中村時雨様
元気ですか?きっと、この手紙を二人が読んでいるということは私はもうこの世にはいないのでしょう。

さて、なぜ二人に手紙を書いたか教えましょう。
それは、二人がこの先生きていく中で、約束してほしいことがあるからです。
それは、「強く、優しく生きること」です。』
その手紙はなぜか敬語で書き綴られていた。
そして、僕は、約束の内容を見て、昔のことを思い出した。

それは、僕が時雨ちゃんに拾われてから間もない頃のことだった。その当時、施設に慣れていなかった僕は、時雨ちゃんにいつも付いて行っていた。
そんなある日、時雨ちゃんが「仲のいい子のところにいく。」と行っていたので、僕は付いて行った。

時雨ちゃんの話によると、その子は体が弱く、部屋にこもりっきりなんだそうだ。

しばらく歩き、その子の部屋に着き、ドアを開けると、ピアノで美しい音色を奏でる、女の子がいた。

そして、時雨ちゃんが言った。
「久しぶり、涼香。」
どうやらこの人の名前は、涼香、というらしい。
そして、時雨ちゃんは続けて、
「この子が、前に話した、結月ちゃん。」
と言って、僕を紹介した。
僕は、
「はじめまして、御影結月です。」と言った。
すると、涼香は、僕を抱きしめて、こう言った。
「あなたが、結月ちゃんね!時雨が、最近会いにくる度に楽しそうに結月ちゃんのことを話してたから、会いたかったの!」
まるで、さっきまでお淑やかにピアノを弾いていたとは思えないくらい、明るい人だったので、少し驚いた。

時雨ちゃんが、涼香にこう言った。
「そんなにはしゃいだら、また具合悪くなるよ。
あと、楽しそうに話してないから。」
そう言った時雨ちゃんの顔は赤かった。何照れてんだ、といいたかったが、言わなかった。

そして、急に涼香にこう言われた。
「結月ちゃん、ギターに興味ある?」
僕は黙って頷いた。

すると、涼香は、部屋の奥からギターを持ってきて、「じゃあ、さっそく弾いてみよっか!」と言った。

その時、時雨ちゃんのため息が聞こえたような気がした。

【続く】

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  • NO MUSIC NO LIFE
  • 全然書き込めてなくてごめんなさい!
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