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LOST MEMORIES ⅢCⅨⅩⅢ

チャールズから初めて外出に誘われた瑛瑠は困っていた。
何がどうなってこうなったのだろう。
居心地悪そうに向かいの席にいる英人と、目で探り合うしかない。
例によってここは『Dandelion』。昨日訪れたときと違うのはいるメンバー。
「謀るような真似をしてすみません。
初めまして、霧英人さん。付き人のチャールズです。いつもお嬢さまがお世話になっております。」
にこやかに話すチャールズに、困惑しつつも軽く会釈を返す英人。瑛瑠にただただ疑問の目をぶつけてくるが、もちろんこちらもわからない。
その英人の隣には、例によって無表情のジュリア。
「双方の誤解をとくために、このような謀を画策いたしました。」
つまり、チャールズに誘われたのは、はなからお出かけなんて楽しい目的ではなかったのだ。
英人がどう連れられてきたかはわからないけれど、とりあえず瑛瑠は一切悪気の色の見えないチャールズに、陰ながらじと目を繰り出すのだった。

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