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夢食う獏

味なんてひとつもしない昨日の夢を
むしゃりむしゃりとただ頬張っては
次の夢を手に取ってまた口に運ぶ

生まれついたその瞬間から
自分は自分でどうしようもない事実で
理由なんて分からないけど
今日もだれかの夢を頬張ってる

苦くも甘くも辛くもないよ
面白くもないのに今日も生きてゆく
このまま自然に昇華してしまえば
どれだけ綺麗にいなくなれるかな

ふわふわと漂ってる君の夢のなか

ひとつだけ願いを叶えてあげるって言ったら
君はなんて言うのかな
なにもいらないって言うのかな
それとも女の子らしく可愛くなりたいとか言うのかな

僕には君のことは分からない
だから君にも僕のことは分からないきっと

君はかたどられるべき存在

僕はかたどられるべきでない存在

なんでも形があれば良いわけじゃないって
やっと分かったんだ最近
ものごころついたころから
ふわふわ君の夢に浮いてる

明日の夢も僕が食べてあげる

だから僕のために夢を見てよ

  • ペアの作品
  • 「夢見る獏」の対になる作品。
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