色の消えた世界は 誰の眼にも映らないさ
暗闇にもなりえない夕暮れを
ただ胸に抱いている
光と影がただひとつ交わるとき
生と死がひとつになるとき
ガラスのサンタマリア
ひざまずいてただ目を閉じる
願うことはもうないのだから
時計が鐘を打ったなら
その十字架で私を殺してしまってください
どこも見ていない眼はただやさしく微笑む
ガラスのサンタマリア
色とりどりの光を通して
こんなにも美しく染まっている
どこかで影に混じり合って 曖昧に溶けてゆく
その歌声を聴かせて
ガラスのサンタマリア
あなたの眼は動きもせずに
ひとつ涙を落とした 純白の世界に
飛び散るガラスの破片は
落ちることもなく消えてゆく
放物線が終わる前に
最後の祈りを捧げよう
サンタマリア