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切りたてのレモン

白磁のように抜ける白の
瓜実顔の小さなはなに
切りたてのレモンを持っていって
そうしたら君
懐かしいって笑ったあとに
愛おしいって泣いてしまった
未練がっているのかと訊くと
滲みでた涙を枕に落としながら
私はもう満足だわと応えた
一つの咳で壊れてしまいそうな君は
頬の涙が渇かないうちに死んだ

彼女の最期に零した嘘は
枕にいくつかの染みをつけたが
やがて蒸発して消えてしまった
嘘はまだ
切りたてのレモンの香りがするようだ

君が運ばれたあと
私は夢中でその果実をかじり続けた
彼女を殺した切りたてのレモンは
これから甘くなる青いレモンなのか
胃を焼くほどに酸っぱかった

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