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或る青年の幽霊噺5

黒い霊「ダカラジェームズジャナイト何度言エバ分カ……エ?何?今何テ?」
霊能者「だからー、別の人に代わりに取り憑くとかどうですかと訊いているんです」
黒い霊「ホウ、ドンナ奴ダ?」
霊能者「青年さんと同じくらいの年齢、体形の男の人で、割とお金持ちです」
黒い霊「ホオ、面白イジャネエカ。金持チッテイウコトハ、生活ガ豊カッテコトダカラナ」
霊能者「では、呼びますね。ああ、青年さん、もう少し待っててください」
青年「え、あ、はい」

友人「やあ、やって来たぜ霊能者。紹介したい霊がいるんだって?」
霊能者「ええ、こちら、ジェームズさんです」
黒い霊「エ、チョット待テ。ドウイウコトダ?」
霊能者「こちらは私の古い友人、友人さんです。ちょっと物好きで、いつも『いい霊がいたら分けてくれ』って言ってくるんですよ」
青年「霊ってそんなお裾分けとか生鮮食品の仕入れみたいなノリで分けるものじゃないよね?」
黒い霊「エ…、ソウイウノハチョットナア…」
友人「えぇ⁉そんな!折角取り憑いてもらえると思ったのに……」
男の霊「何ダアレ…憑カレタガッテルッテコトカ?」
幼子の霊「ソレハチョット…」
女の霊「正直言ッテキモイ」
黒い霊「トイウ訳デ、悪イナ」
青年「悪いな、じゃねーよ!出てけよ!」
霊能者「むー…。こうなったら、無理矢理にでもお祓いするしか無いんでしょうか…?」
黒い霊「無駄無駄ァッ!俺ハソウ簡単ニハ成仏シネエゼ!」
霊能者「それはどうでしょうね?ジェームズさん、覚悟!」

  • 「或る」「の」シリーズ
  • 前のやつの続き
  • 黒い霊編いつ終わるんかな…
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