何てことないけれど 大きく息を吸った まだまだ残る冬の匂いと 遠い焼き魚の匂い いつも降りる駅の次の町は 光溢れる人通り もう一度息を吸って 止める 一人取り残されたように はっと気づいて 僕はまた歩き出した ひとつ前の駅に向かって