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風船

どれだけ歩いたかなんて分からないけれど
なにがあろうともなにを言われようとも
どうしても見つけられなかったもの
視界の端にちらつかせた赤い糸
どれだけ目で追っても呪いは解けない

誰に嘲笑われ頭を踏まれようと
誰に褒められ頭を撫でられようと
やはり呪いは解けないのです

嬉しそうに風船の紐を握りしめた女の子
いつまで笑っていられるのかな
風船の紐から指を這い回り手首を絡めた赤い糸
気付いてしまった瞬間呪いになってしまう

どうかおぞましいそれに気付きませんように
永遠に呪いを擡げさせませんように
そんなこと呪いを絡めた手を合わせて祈っても
馬鹿馬鹿しいなんて分かっているのです

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  • 鷹尾ちゃんお久しぶりです(*^^*)
    ちょうど今日、最近見てないなって思っていたの。タイムリーで運命感じちゃう(笑)
    相変わらずセンスが光ってるなあなんてしみじみと思っておりました。
    比較的するっとはいるタイトルが私は好きです。そして読み始めると私は引きずられるの。
    馬鹿馬鹿しくてもいいから、どうか、赤い糸に気付くことがありませんように…。