僕の好きな娘は、いつも形のいい唇を歪めるようにして話す。
わがままで、高飛車で、1人が好きで、しなやかに動く。
猫そっくりなその性格と仕草に心も目も奪われる。
クールで自分勝手な彼女は周りにはあまり好かれていない。
それでいい、と僕は思う。
彼女の本当の姿を知っているのは僕だけでいい。
あの唇がほころんで、とびきりの笑顔がこぼれたら、
きっとみんな彼女を好きになるだろう。
僕にいつも甘えるみたいにみんなに甘えたら、
きっと男がたかるだろう。
だから、このままでいい。
彼女は、彼女のすべては僕だけのもの。