小さい頃から親の虐待もなく、平和に暮らしていた私にとって、虐待というのは非日常的な世界だった。言うなれば、現実にはあるけど自分じゃないし。どこか他人事のように感じていた。
だけど高校生になって、そんな自分勝手な常識は覆された。友達が虐待を受けている、と打ち明けられたからだ。本人は虐待ではないというが、明らかに私からすれば暴力で、虐待だった。
どう声をかけたらいいのか全くわからない。
でも、それはまだ序章で高校生になればそんな話は日常だった。勉強しながら育児放棄した親の元で夜遅くまで家事に課題に…と頑張る人。自習室で勉強することも許さない親。さらに、特別な事情で親が家にいない為に家に帰れず、友達の家を点々としながら勉強して公務員を目指している人。
自分がいかに恵まれた環境で生活しているのか嫌という程思い知った。
だから本当に、切実に思う。
虐待は、なくなってほしい。