あつい。 蒼白の幽鬼。不自然に重く。 冷たい筈が。 風鈴と蝉の音。 きっと中てられたのだ。 あつい。 冷たいのに、あつい。 浅い呼吸で、手が死んでいる。 そんな手だから。 或いは背中を冷たい汗が伝うから。 あついと、錯覚しているのか。 本当は冷たい躰が。 持ち上げようとすると、 不自然に重くて、 あつい。