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限界値

部屋にただひとり。
カーテンを閉めて遮った。
イヤホンをつけて聞こえないようにした。
現実の世界なんてつまらない。
空想、理想。
その世界の方がよっぽど魅力的だ。
流れ出す音楽と映像は、現実を忘れさせた。
ふと接続を切る。
この世界に戻ってきた。
心は締め付けられるままだった。
むしろ、くるしくてたまらなかった。
理想の世界からあふれる光と音。
安定剤のようなそれは、もう僕にはきかない。
布団をかぶってたえる。
朝がくるのなら、この夜からも抜け出せるはずだろう。
心の中で繰り返される僕の声が、響く。
繰り返してきた疑問と答え。
それが詰まった部屋は、容量オーバーみたいだ。

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