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絆創膏

いつも通りの昼休み。
廊下に先輩いるのを見つけた。
と、先輩の隣にいる女の人も。
綺麗に結ばれた黒い髪と白い肌。すごく美人だ。
私も頑張って手入れしてるのに、そんなことを思っていると先輩と目が合った。そして先輩がこちらに向かって歩いてくる。

「いきなりごめんね。俺の彼女が怪我しちゃったみたいで…。絆創膏とかって持ってない?」
彼女が──。
ああ。やっぱりそうなんだ。先輩があの人を優しく見つめていた理由が分かった。
「あ、持ってますよ。ちょっと待ってください。」
「どうぞ。彼女さんにお大事にとお伝えください」
思いが溢れないようにパチパチと瞬きをする。
「ごめんね、ありがとう。」

すごく一瞬だった。
出来るなら忘れてしまいたい。このことも。知らないうちに先輩を好きになっていたことも。

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