祖母を亡くして
誰にも世話をしてもらえなくなった少女は
祖母がまだどこかで生きていると信じている。
子どもを亡くした親たちは
それを受け入れられず
それでも半分は受け入れて
子どもたちがほかの世界で元気にしていると信じている。
両親を亡くし、兄弟を亡くし、友だちを亡くし、
ただひとり生き残った少年は
いつかこの世から争いがなくなると信じている。
きっと人間は
ときにそれが狂気じみていても、哀しいくらいでも、
なにかを信じてよりどころにしないと
生きていけない生き物なのだ。