誰かが後ろから来る気配がして道をあけた。 なつかしい柔軟剤のにおいがして 横をすり抜けて行ったのはあなただった。 もう心のどこを探しても あなたを好きだという気持ちは見つからないのに なぜかその瞬間自分でも驚くほど胸が高鳴った。 それをごまかすように 友だちとくだらない話を続けた。 別れてしまったから もうあなたは私の恋人ではないし、好きなひとでもない。 けれど間違いなく 特別なひと。