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朝の階段

誰かが後ろから来る気配がして道をあけた。

なつかしい柔軟剤のにおいがして
横をすり抜けて行ったのはあなただった。

もう心のどこを探しても
あなたを好きだという気持ちは見つからないのに
なぜかその瞬間自分でも驚くほど胸が高鳴った。

それをごまかすように
友だちとくだらない話を続けた。

別れてしまったから
もうあなたは私の恋人ではないし、好きなひとでもない。

けれど間違いなく
特別なひと。

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