幼稚園の頃、世界は僕を中心に回ってると真剣に考えてた。
小学生の頃、友達の大切さ、助け合いの素晴らしさ、謙遜な心の持ち方、謙虚な姿勢の大事さをロボのような大人達に永遠と教え込まれた。
中学生の頃、自分達は大人に成ったつもりだったが、一人では何一つとして出来ない未熟な餓鬼だと毎日頭を小突かれ覚えさせられた。
高校生の頃、自立を求められた。他人に迷惑をかける事は恥だと聞かされ。社会に出れば誰も自分を護ってはくれないと脅され。
大学生の頃、自分の実力を過信してはならぬが周りと同値又はそれ以下ならこの先、生きてはいけぬと難題な課題を課せられた。
皆、同じような服を着て、同じような本を片手に無理矢理作った笑顔の自分と毎日顔を合わせ、毎日のように僕は僕を問われ僕は僕を…少し偽った僕を紹介した。
やっとの思いで生きるための仕事を手に入れ、同じような日々をアルコールで流し込むある日気がついた。
僕はこの世界という時計を動かす小さな歯車のまた小さな歯車を動かす、ひと雫の潤滑油なんだと。
煙草と酒と埃とため息が混じり合った静寂な七畳一間の僕の部屋で僕はゆっくりと
僕の時計を
止めた。