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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 1.ネクロマンサー ①

寿々谷(すずがや)市には、こんな都市伝説がある。
―寿々谷駅前で、ショッピングモール以外で一番背の高い建物の屋上には、”死に神”が現れる。
こんなの、ただの都市伝説だ、そう多くの人は軽くあしらうだろう。だが、わたしはただの都市伝説だと思わなかった。
だからこそ―わたしは本気で、”死に神”に会いに行こうとした。
でも駅前には、背の高い建物はいくつもある。普段だったら、無理だとわたしは諦めるに違いない。
だけど、何としてでも”死に神”に会いたいから、手当たり次第に”死に神出現候補地”に上っていった。
そして、その”候補”の最後の一つ、古びた雑居ビルの螺旋階段を上り切った時―
そこに、”死に神”はいた。
最初は、しゃがみ込んでうつむく小学生だと思った。…だが、その手には、巨大な鎌が握られていた。
やっと見つけられた! 嬉しくて思わず話しかけてしまった。
「…あのぉ…もしかして…」
”死に神”は、はっとしたように、だけどゆっくりと振り向いた。
その容貌は、奇妙なものだった。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • 遂にスタート!
  • 22時台に書き込むって言ったけど23時台になった…
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