彼が君を苛んでいた
君の話を君のいないところで
巧妙に 共感と笑いを得るように
やがて誰もが君から離れ
君が通りすぎるときには鼻を押さえ
えずく真似をするようになった
水浸しのノート 悪意の大盤振る舞い
恐らく学校で一番賢かった彼
きっと何もかもが気に食わなかったんだろう
たまたま君の不器用さが目についただけ
「あれ言い出したの俺なんだ」って
彼は嘲るように笑った
本当は自分を嘲笑っていたのかもしれない
何一つ赦せはしないまま
君は耐えて 忍んで 歯を食いしばって
奥歯を噛み砕いて ある日、消えた
恐らく学校で一番格好良かった君
誰一人責めもしないで
或いは赦しさえして?
彼も君も ニルヴァーナが好きだったこと
恐らく僕だけが知っていたこと
伝えられなかったこと もう伝えようがないこと
天国でカート・コバーンには会えた?
それともあいつはやっぱり地獄かな?
いつか確かめに行くから
それまではさよなら
そのとき僕をぶん殴ってくれ
神様、神様 一番罪深いのは誰だ
多分、僕だ