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LOST MEMORIES 417

バニラシロップとスチームミルクの組み合わせに、滑らかなフォームミルクをたっぷりのせ、その上からエスプレッソを注いでアクセントに。仕上げに、どこで作ったんだかオリジナルと思われるキャラメルソースをトッピングするチャールズはカフェの店員さん。
バニラの風味が作っている間も鼻腔に届き、その甘さが絡まっていた糸を1本ずつほぐしていくようだった。目の前では、チャールズの手が慣れたように動く。
「チャールズって何ができないの?」
どうせできるのだろうと思ってお願いした節はあるのだけれど、やはり期待を裏切らない男チャールズである。
瑛瑠がチャールズの手つきに見入っているのを見て、チャールズは苦笑する。
「私なんてできないことだらけですよ。」
瑛瑠はチャールズを見上げる。
「例えば?」
キャラメルソースをくるっと落ち着けたチャールズは柔らかく微笑む。
「お嬢さまの気持ちを読み取ること、とか。」

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