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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 1.ネクロマンサー ②

真っ黒なパーカーで、そのフードをしっかり被った少女。
下はデニムのショートパンツと黒タイツ、そしてありふれたスニーカー。髪はギリギリ肩につかないぐらいの長さだ。―だが、その目は恐ろしく鮮やかな赤紫色だった。
「…なに」
暫くの沈黙ののち、”死に神”は問いかけた。その声からは警戒心が剥き出しだった。
「あ、あの…”死に神”さん、ですよね?」
恐る恐る尋ねると、”死に神”は舌打ちし、立ち上がってこう言った。
「ごあいにくだけど違うね。そもそも、神なんてこの世に存在しない。いたらここまで酷い世界にならなかったハズだよ?」
このときわたしは驚いた。”死に神”は、わたしよりも頭一つ分背が小さいのだ。「じゃ、じゃあ…何なの?」
”死に神”の口調に気圧されて、わたしの声は震えた。
「何って…聞きたいっていうのかい?」
わたしは深くうなずいた。”死に神”じゃなければ、何なのか。
「…ボクは”ネクロマンサー”、和訳すると”死霊使い”」
”ネクロマンサー”はそう言って両腕を広げる。 
「ネクロ、マンサー…」
「そうさ、都市伝説上の存在じゃない。第一、どっかの誰かさんがボクを見て”死に神”だと思っただけなんだろう?」

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