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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 1.ネクロマンサー ③

どうやら都市伝説は都市伝説のようだ。それに気付いて、思わず落胆する。
「…そもそも、何で”死に神”なんぞ探してんだよ」
そう言って、ネクロマンサーはわたしを睨む。
「それは…」
「それは?」
一瞬ためらったけれど、一つため息をついてから、わたしは吐き出すように言った。
「…殺してもらうためです」
「フン、なんなら、他にも方法はあるじゃねぇか」
うつむくわたしをネクロマンサーは鼻で笑う。
「自殺するのは怖いんですよ!」
「ってことは生きたいって意味じゃん」
ネクロマンサーは平坦な声で言う。なんだか彼女が恐ろしくなってきた。
「…何で死を願うんだよ」
ネクロマンサーの赤紫色の目が、じっとこちらを見つめる。言いたくないけどわたしは話すことにした。
「…生きてても意味がないもん」
その言葉を聞いて、ネクロマンサーは苦笑する。
「そもそも人間に、生命に、存在する意味はないよ。ただ、そこに在るだけ。でも、人間はいつの時代も、どんな場所でも、そういうことを気にするんだよ。だから神とか、宗教とか作ってすがったり、生き甲斐、とやらを探したりするんだよ」

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